カテゴリー「マンガ労務相談 「がんばれ!老夢課長」」の記事

就業規則の不利益変更(マンガ労務相談25)

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 社会環境の変化や会社の経営難等により、現在の労働条件を維持することができず、賃金の減額等、労働条件の不利益変更をせざるを得ないことがあります。

労働条件を変更するには以下の方法があります。
①労働者の個別合意を得て変更する ②新たな労働協約を締結して変更する ③就業規則を変更する

○就業規則による労働条件の不利益変更
就業規則による労働条件の不利益変更は、個別合意や労働協約の締結と異なり、会社が一方的に行えるものなので、労働契約法で一定の制限がかけられています。

●労働契約法第9条
使用者は、労働者と合意することなく、就業規則を変更することにより、労働者の不利益に労働契約の内容である労働条件を変更することはできない

合意なしの不利益変更はできませんよ、と言っていますが、10条では例外を認めています。
●労働契約法第10条
使用者が就業規則の変更により労働条件を変更する場合において、変更後の就業規則を労働者に周知させ、かつ、就業規則の変更が、労働者の受ける不利益の程度、労働条件の変更の必要性、変更後の就業規則の内容の相当性、労働組合等との交渉の状況、その他の就業規則の変更に係る事情に照らして合理的なものであるときは、労働契約の内容である労働条件は、当該変更後の就業規則に定めるところによるものとする
つまり、変更に合理性があり、かつ、その規則を周知させれば就業規則の不利益変更は可能ということになります。
ただし、この「合理性」はかなり厳格に判断されることになります。
上記マンガ例の成果主義型賃金制度への変更については、ノイズ研究所事件(東京高判平18・6.22労判920-5)が参考になります。
 この事件は、成果主義型賃金制度の導入により、職務等級を降格され賃金を減額された労働者が、就業規則及び給与規程の変更は無効として争った事件ですが、裁判所は合理性を認めました。

 判示では、賃金制度変更が不利益変更であるとした上で、海外メーカーとの競争が激化し、損益が損失に転じていることなどから、高度の必要性を認めました。
 変更内容の相当性については、労働者の能力等に応じて職務を与えて処遇することは、経営上の必要性に対処し、見合ったものであるとしました。
 その上で、賃金原資総額を減少させるものではなく、賃金原資の配分の仕方をより合理的なものに改めようとするものであり、自己研鑽による職務遂行能力等の向上により昇格・昇給することができるという平等な機会が与えられており、会社の人事評価制度も合理的であるとして、相当性を認めました。
 また、経過措置については、十分ではないとしながらも、それなりの緩和措置としての意義を有するとしました。

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自転車通勤のトラブル・リスク

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 昨今、自転車通勤する従業員が増えています。
環境にやさしく健康増進にもなる自転車。ただ、自転車利用ははメリットばかりではなく、事故などのリスクもあります。
公共交通機関、または自動車・バイク通勤に関しては、規程等でルールを定めている会社は多いですが、自転車通勤に関しては、詳細なルールを定めていない会社が多いのではないでしょうか。
自転車に関する事故やトラブルが増えていますので、次のような観点に留意し、自転車通勤に関しての規定・ルールを定めましょう。

①事故防止・事故が起きた際の対策
 最近は自転車事故が増加しており、警察も自転車への取り締まりを強化しています。
自転車は「軽車両」であり、自動車と同じように交通法規を守らなくはなりませんが、信号無視など、交通法規が守られていないことが多い状態です。
 事故防止のためにも、交通法規の順守を規定等に定めたり、自転車の安全利用に関する研修、啓蒙活動をしたりすることが必要です。
 また、自転車は転倒等で事故の被害者になることもありますが、歩行者との接触等で加害者になることもあります。
 通勤途中に転倒等で怪我をした場合は、原則労災保険で通勤災害として補償されます。しかし、加害者となり第三者に怪我をさせた場合、第三者への損害賠償等は労災保険では補償されません。
 自転車の加害事故で多額の損害賠償を命じられることもありますので、加害者となった際の対策も考えておかなくてはなりません。
なお、従業員が自転車通勤で加害事故を起こした場合、ただちに会社の責任が問われ、会社が損害賠償義務負うことはありませんが、会社が積極的に自転車通勤を認めるという姿勢であると、会社の責任が問われる可能性もあります。
自転車通勤を黙認している状態であっても、積極性が認められる恐れがあるので注意が必要です

 事故のリスクを考えると、自転車通勤は許可制にして、許可する場合は自転車損害賠償保険の加入を義務づけるなどのルール作りが必要でしょう。

※東京都では「東京都自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例」が2013年7月に施行され、自転車利用に関して次の義務を課しています。
●自転車を利用して通勤する従業員が自転車を安全で適正に利用することができるよう、事業者が、研修の実施、情報の提供その他必要な措置を講じるように努力すること(14条)
●自転車利用者が自転車損害賠償保険等に加入する努力義務(27条)

(他の都道府県でも、自転車に関する条例が定められている場合があるので、確認してください。)

②駐輪場の問題
 都心部のオフィスなどは、必要な駐輪場を確保することは困難でしょう。
駅前や歩道などの「放置自転車」が社会問題となっていますので、駐輪場が確保できない場合は、自転車通勤を許可すべきではありません。
※「東京都自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例」では、従業員(1月以上雇用することが見込まれない従業員は除く)の通勤における自転車の駐輪について、必要な場所を確保するか、従業員がが当該駐輪に必要な場所を確保していることを確認する義務を課しています。(30条)
(自宅から最寄り駅までの自転車利用の場合も、駐輪場の確認をしなくてはなりません。)

③通勤手当の支給
 普段は自転車通勤でも、雨天時は電車通勤するというケースはよくあります。
また、自宅から最寄り駅まで自転車で行き、駅周辺の有料駐輪場を利用する場合など、自転車と通勤手当の問題はよく発生します。
 なお、自転車通勤にもかかわらず電車通勤等と届け出て通勤手当を不正受給していた場合、その通勤手当は不当利得となり、民法上、会社は過去10年以内の不正受給分の返還請求が可能です。
 ただ、実際に不正受給が発覚し、その返還請求をするとなると、実務上は大変な労力となります。
トラブルを未然に防ぐためにも、通勤手当に関してのルールを定め、自転車通勤をしっかり管理することが大切でしょう。

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退職願の撤回(マンガ労務相談23)

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 退職は、定年のように就業規則等において、あらかじめ定められた事由が発生したことにより、当事者の意思に関係なく自動的に雇用が終了する退職と、転職のための退職のように当事者の意思による退職に分類されます。
 後者はさらに、退職を申し出て、それを会社が承認し退職する場合(合意退職)と、会社の承認によらず一方的に社員の意思によって退職する場合(辞職)とに分類されます。

 合意退職は会社と従業員が雇用契約の解約について合意し、退職に至るというものです。
退職願が提出され、これを会社が承認することによって退職が確定するというプロセスとなります。
 この場合、会社の承認がなされるまでの間は、解約についての合意形成がなされていない段階ですから、撤回することができることになります。
 そこで「会社の承認」が問題になりますが、会社から退職辞令が出されることまでは要求されず、一般的には退職の受理(退職の承認)権限がある人物が退職願を受理し、預かりではなく、正式に退職を認めれば、その時点で承認があったということになります。

 一方、辞職は、退職の意思表示が会社に到達した時点で、撤回はできないということになります。

 ただ実際の場面では「合意退職」か「辞職」か判断に迷うことも少なくありません。
 退職願または退職届が提出された時点で、退職意思をしっかり確認すること、いったん手続きが開始されれば撤回できないことをしっかり確認することが、このようなトラブルを回避するためには大切でしょう。
 
 

 上記マンガ例の場合は、まず自社の退職ルールがどのようになっているか確認することです。
 合意退職と解される場合において、会社が承認する前に撤回を求めてきたのであれば撤回を認めるべきですし、承認後および辞職と解される場合であれば、撤回を認める必要はありません。
 なお、撤回が認められない場合は、トラブル防止のために、その理由を丁寧に説明して、本人の理解と納得を得ることが大切です。


 合意退職における会社の承認は、会社から退職辞令が出されることまでは要求されないと、先に述べましたが、トラブルになりそうな退職事案の場合(希望退職の募集など)は、退職合意について書面を交わしておくことをお勧めいたします。
(退職勧奨などの場合は、「退職願の提出は会社の強要によるものだ」などと言われることがありますので、特に対応にはご注意ください。)

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社員が逮捕・拘留された際の対応

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 社員が逮捕・拘留された場合、会社の社会的信用、社内秩序等を考えると、有罪の判決が確定するまで待つまでもなく懲戒処分をしたいというのが普通の考え方でしょう。
 もちろん、この考え方は間違えだとか、ダメだとかいうものではありません。
有罪判決が確定していない捜査段階、つまり法律上無罪推定が及んでいる段階でも、懲戒処分が有効とされた判例は散見されます。
 しかし、誤認逮捕ということもないわけではありませんし、嫌疑なしということで不起訴になることもあります。
多くの目撃者がいる場合や本人が容疑を認めている場合であれば、有罪が確定する前に処分をしても問題になることは少ないと思いますが、本人が容疑を否認している場合は、慎重な判断が求められます。

 なお、重大事件の場合など、会社として早急に当該社員を企業外に排除するための処分を確定しなければならないときは、社員との間で速やかに話合いの上、労働契約を合意解約することが、リスク回避のための現実的な対応かと思います。

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副業に対する懲戒処分(マンガ労務相談21)

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多くの会社で副業を禁止していますが、副業に対する懲戒処分は慎重に検討しなくてはなりません。

 就業時間中に副業をしていれば、それが懲戒処分の対象となることは言うまでもありません。
問題は、勤務時間外や休日の副業についての扱いです。
 基本的に、私生活上の従業員の行動について、会社は規制できるものではありません。
勤務時間外や休日に副業をすることは、原則自由であると言えます。
しかし、私生活上の自由も、雇用契約を結んでいるということから生じる一定の制約を例外的に受けます。
副業について懲戒処分の対象とし得るのは、次のようなケースです。

①会社の名誉・信用を損なう恐れのある副業
②会社での就業に支障を生じかねない副業
③会社業務の適正さを損なう恐れのある副業
④会社利益を損なう恐れのある副業

上記副業の具体例は以下の通りです。
①会社名や会社での地位、職務内容等を副業において取引先等の信用を得るために用いている場合や、社会通念上、会社の社員として関わることが望ましくないと思えるような業務内容の場合。
②深夜遅くまでの業務や、休日のすべてを副業に費やし、疲労等により本業に影響が出る場合。
③会社の取引業者と関係を持つような場合。
④競業、同業他社と関係を持つような場合。

増えない給与、または給与カット等で、副業をせざるを得ない従業員も増えています。
副業を全面禁止ではなく、上記の懲戒処分の対象とし得る副業内容を踏まえ、副業の許可基準を制度化するということも、そろそろ必要かもしれません。

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私生活上のトラブルに対する懲戒処分(マンガ労務相談20)

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 会社と従業員の雇用契約は、従業員の私生活まで効力が及ぶものではありません。
従って、原則、会社は従業員の私生活上の行為に対して、懲戒処分などの規制はできないことになります。
 しかし、私生活上のトラブルが、職場秩序に直接関係するようなトラブルや、会社の社会的評価を毀損するようなトラブルであれば、懲戒処分の対象となり得ます。

例えば、電車内で痴漢をしたなどの犯罪行為した場合、飲酒運転をして人身事故を起こした場合などが該当するでしょう。
 私生活トラブルに対して懲戒処分を課すには、「職場の秩序・風紀を乱したか」「会社の社会的信用を毀損したか」を慎重に検討しなければなりません。

上記のマンガ例を検討すると、現時点では「会社の信用を社会的信用を毀損した」とまでは言えません。 「会社の社会的信用を毀損した」とは、犯罪を引き起こし、メディアに報道された等が該当するでしょう。
「職場の秩序・風紀を乱したか」が一番のポイントになりますが、何をもって「職場の秩序・風紀を乱した」というのか、この判断は結構難しいものです。
同じ行為であっても、会社の業種や風土、本人の地位や今までの素行などで、職場秩序に与える影響は異なります。
 「職場秩序への影響」は、ケースバイケースで主観による判断をせざるを得ない部分もありますが、懲戒処分に関しての判例や、今までに行われた懲戒処分等を勘案して、納得性が持てる処分にすることが大切です。
 上記のマンガ例では、普段から問題ない社員であれば、現時点での懲戒処分は難しいと思いますが、悪尾氏は従来から素行不良なので、懲戒処分となる可能性もあるでしょう。

●その他、懲戒処分をする際の注意点

①就業規則に規定する

懲戒処分を課すためには、どのような行為が懲戒事由に該当するのか、そしてどのような懲戒処分が課されうるのか、あらかじめ就業規則に定めておかなくてはなりません。

②権利濫用に注意

労働契約法15条により、懲戒権の権利濫用は無効となりますので、こちらも注意が必要です。
例えば、今まで問題がなかった社員の軽微な非違行為に対して、その処分を懲戒解雇処分にした場合等は、権利濫用で無効となります。

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外国人雇用(在留資格について・マンガ労務相談19)

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 日本に在留する外国人は、入国の際に与えられた在留資格の範囲内で、定められた在留期間に限り、在留活動(就労等)が認められています。
⇒在留資格一覧表はこちら(入国管理局HP)

 外国人を雇用する場合、就労させようとする仕事の内容が在留資格の範囲内であるか、在留期間を過ぎてないかを確認する必要があります。

 在留資格および在留期間は、旅券(パスポート)、在留カード、外国人登録証明書等で確認します。

 正規の在留資格を持っている外国人であっても、許可を受けずに、与えられた在留資格以外の仕事をすると不法就労となります。

不法就労と知りながら、不法就労の外国人を雇用した場合、雇用主は「不法就労助長罪」に問われます。
(3年以下の懲役若しくは300万円以下の罰金)
 不法就労であることを知らないで雇用した場合には処罰されることはありませんが、不法就労であるとはっきり認識していなくても、状況からみてその可能性があるにもかかわらず、確認をせずにあえて雇用するような場合には処罰されることがあります。

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出張における移動時間と労働時間(マンガ労務相談18)

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 労働基準法上の労働時間とは、会社の指揮命令下におかれている時間のことをいいます。

 出張に伴う移動時間は、本を読んでいようが、寝ていようが本人の自由なのですから、移動時間を会社の指揮命令下におかれている時間とみることはできません。
 しかし、一定の制約は受けることも事実ですので、一般的には労働時間としては扱わず、賃金も時間外手当や休日出勤手当ではなく、実質的負担に対するねぎらいとして、日当が支払われることが通例です。

 なお、移動中に物品を監視するなど、その出張での移動が特別な任務を帯びたものである場合は、労働時間として扱うことになります。
この場合には、日当で済ますのではなく、時間外手当や休日出勤手当の支払いが必要になりますので、注意が必要です。

 出張時の労働時間については、上記の移動時間の問題や、出張期間中に休日が含まれる場合など、苦情やトラブルが生じることが比較的多い事項です。

 移動時間の性格と労働時間の関係がわかっていないというケースでは、まずわかりやすく適切な説明をして理解を求めることが必要でしょう。
 また、経費削減から出張時の日当を減額したり、廃止したりするケースも増えていますが、日当は上記に述べたような性格があるので、廃止、減額する際は慎重に検討する必要があります。
廃止、減額せざるを得ない場合は、その理由等を労使でよく話し合い、理解を得ることが大切です。

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会社のネット(情報漏洩・誹謗中傷)対策(マンガ労務相談)

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今や仕事には無くてはならないインターネットや携帯電話。
仕事の生産性を大幅に向上させた反面、次のような新たなリスクも生み出しています。
このようなリスクに対応するためには、就業規則の整備、従業員教育が必要です。

①ネット掲示板、ブログ、ツイッター、SNS等などによる、機密情報、顧客情報の流失、誹謗中傷

 昨今、ツイッター等による顧客情報漏洩のニュースが度々報じられます。
機密・顧客情報の漏洩が起きたら、会社の信用を大きく失いますが、発信した従業員は、それほど重大なことになるとは思っていないケースがほとんどです。

重大なことことになる前に、規則の作成、従業員教育が必要です。

②情報漏洩のリスク

●顧客情報が入ったノートパソコンを持ち歩き、そのパソコンを紛失してしまう。
●自宅で仕事をするために、USBメモリなどの外部記憶媒体にコピーし持ち帰ったが、その媒体を紛失してしまう。
●顧客情報が入った携帯電話を紛失してしまう。
※最近は、より顧客情報を保存しやすいスマートフォンの普及により、より一層リスクが高まっています。

③パソコン・携帯電話の私的利用

インターネットやメールは、業務上においても欠かせないものになっていますが、それだけに、パソコンの前に座っていると業務上で利用しているのか、私用なのか判断し兼ねることがあります。

 業務中は職務に専念する義務がありますし、怪しいサイトに接続することでウィルスに感染する恐れもあります。
(※業務でスマートフォンを利用する場合は、スマートフォンのウイルス対策も必要です。)
また、会社が貸与した携帯電話を私的に利用して、会社が莫大な通話料の請求を受けるトラブルも増えています。

万全を期すためには、インターネット、携帯電話等の利用に関しての別規程を作成することも必要になるかもしれません。
 ただし、ネットに関する情報漏洩・誹謗中傷のリスク対策は、規程の整備だけで終わらしてはなりません。
 規程の整備と同時に、ネット・携帯電話等に関する従業員教育をしっかり行う必要があります。

就業規則記載例など詳しくはこちら(さかば人事労務事務所HP)

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整理解雇の4要件(マンガ労務相談16)

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 整理解雇とは、会社が経営不振などの経営上の理由により、人員削減を目的として行う解雇のことを言います。

 要するにクビ切りですから、仕事を失った従業員は多大な影響を受けます。
なので、経営不振だから即整理解雇ということは認められず、「整理解雇の4要件」を満たす必要があるとされています。

 

          「整理解雇の4要件」   

①人員削減の必要性
②解雇回避義務
③被解雇者選定の相当性
④手続きの妥当性(労働組合や従業員に対する説明協議)

①は、必要性の程度をどのように考えるか問題になります。
以前は人員削減をしなければ倒産するという状況が必要とされていましたが、、最近では、高度の経営危機にあるという状況であれば必要性を認めるという裁判例が増えています。

②は希望退職、配転、役員報酬の減額など、解雇を回避する努力をしていたか、ということが問われます。

③は勤退、勤務成績、勤務態度、会社への貢献度など、解雇者を選定する基準が合理的であるか、ということが問われます。

④は解雇する従業員、または労働組合に対して、上記①から③の事項の説明など、なぜ整理解雇が必要なのか、誠意をもって説明・協議することが求められます。

「4要件」という言葉が使われてますが、最近の裁判例は「4要素説」が主流となっています。

つまり、4要件を満たさなければ整理解雇ができないということではなく、①から④は解雇権乱用を判断する際の要素であり、どれかの要素が欠けても、他の要素がこれを補えば解雇は有効であるという考えです。

 法律論はさておき、整理解雇をする際、特に重要なのは④の「従業員への説明・協議」だと思います。

 トラブルになる企業は、やはり十分な説明をしていなかったり、陰湿な方法で解雇を迫るようなことを行っている場合が多いです。

 会社も生き残りのために必死なのは仕方がないことですが、人間は感情のある動物、不利益を求めるなら、誠意をもって説明することは避けて通れません。

 説明し納得を求めると言っても、普段から労使関係が良好でないと、なかかな納得を得られないものです。
「会社の言っていることは信用できない」ということで、モメることになります。

 しかし、従業員側も会社のせいにするばかりでなく、どうしてこのような状況になってしまったのか、自分たちにも甘えがなかったのか、しっかり考える必要はあるでしょう。

 

 

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