カテゴリー「 年金」の記事

社会保険未加入企業、加入指導強化へ

 読売新聞などの報道によりますと、厚生労働省が国税庁から情報提供を受けて行った調査で、違法に社会保険(健康保険・厚生年金)加入を逃れている疑いの強い中小零細企業が約80万社にのぼることが明らかになりました。

社会保険は法人であれば、会社から報酬を受けている者(役員、正社員、一定の基準を満たす短時間従業員)が1人でもいる場合は加入しなければなりません。

従業員の所得税を給与天引きで国に納めている法人事業所は約250万箇所なのに対し、社会保険に加入しているのは約170万箇所だけとのことです。
 残る約80万の事業所は加入を逃れている可能性が高いとのことで、厚労省はすでに国税庁から所在地などの情報提供を受け、未加入事業所を割り出す作業を進めています。

厚労省と日本年金機構は新年度の4月以降強力な指導に乗りだし、応じなければ立ち入り検査も実施した上で、強制的に加入させる方針とのことです。

(なお、弊所では、小規模企業を対象にリーズナブルな報酬で社会保険加入を行う顧問契約「小規模企業対象・応援サポートプラン」を実施しております。
詳しくは下記のページをご覧ください。)
http://sakaba-sr.jp/gekiyasutetuzuki2.html

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遺族基礎年金・父子家庭に給付検討

5日の毎日新聞の記事によると、厚生労働省は、公的年金加入者が死亡した際に遺族に支給される遺族年金制度に関し、父子家庭への給付拡充を検討しており、早ければ今年の通常国会に法案を提出するとのことです。

ここで、よく混乱する遺族年金が受給できる遺族の要件を整理しておきましょう。

●遺族基礎年金

死亡当時、本人に生計を維持されてた次のいずれかの人に支給されます。

①子のいる妻

②子(ただし、生計を同じくする父がいる場合は支給停止)

(上記の子の要件・・・18歳の年度末までにあるか、20歳未満で障害等級1級・2級の障害状態にあり、婚姻していないこと)

●遺族厚生年金

死亡当時、本人に生計を維持されていた次の最も優先順位の高い人に支給されます。

1位 配偶者、子(夫の場合は55歳以上、子の場合は上記基礎年金の子の要件と同じ)  

※妻と子の場合は妻に支給され、子は支給停止。夫と子の場合は子に支給され、夫は支給停止

2位 父母(55歳以上)

3位 孫(子の要件と同じ)

4位 祖父母(55歳以上)

見ていただいた通り、父子家庭は遺族基礎年金が支給されません。

これは、男性は多くの収入を得られるだろうから、年金を支給する必要はないという考えからです。

厚労省の調査(06年度)では、父子家庭の就労による平均年収は398万円で、母子家庭(171万円)の倍以上ですが、4割近くの父子家庭は年収300万円未満であり、生活に困窮する父子家庭も多いことから、年金の給付拡大が検討されることになりました。

年金に限った話ではないですが、近年、時代の流れに追いついていない制度が数多く見られます。

この問題は、「男性は十分な収入を得られる」という前提条件が変化していることを意味するでしょう。

従来の前提条件が通用しなくなり、制度疲労を起こしている現在の日本社会、見直しが必要な制度は今後ますます増えていくことでしょう。

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年金制度改革案の動き

最近、年金制度改革のニュースを聞くことが多いのではないでしょうか。

以前に厚労省の年金制度改革案の記事を書きましたが(こちら)、最新の改革案の動きをまとめました。

○年金支給開始年齢の68歳以上への引き上げ案

ついにそれを言ってしまったか!、と思っております(笑)

まあ、国側の本音としては、引き上げをしたいとずっと思っていたことでしょう。
でも批判を恐れて誰も言い出せなかった事案だけに、いよいよ腹をくくったかという感じです。

2004年の年金改正時に、「100年安心」なんて言ってしまったから、今後袋叩きに遇うことは必至でしょうが・・・

○3号被保険者の切り替え漏れ問題、法改正へ

こちらの問題も以前に書きましたが(こちら)、まだゴタゴタやっているのかという感じです・・・

改正案は、本来受給すべき年金額よりも多く受け取っていた人は、支給額が減額され、過去5年分の差額については返還が求められるという内容になっています。

受給者が約5万3,000人、現役世代は約422,000人と見込まれています。

○60歳前半在職老齢年金の基準を65歳以降の基準に統一

60~64歳の在職老齢年金は、年金と報酬の月額合計額が「28万円以下」であれば、減額の対象となりませんが、この基準を引き上げて、65歳以上と一本化する方針を明らかにしました。

(65歳以上の場合、現在は合計が「46万円以下」であれば減額の対象とはならない。)

2012年の通常国会に関連法案を提出する考えとのこと。

働いても年金がカットされてしまい、勤労意欲を削ぐということで、在職老齢年金の見直しが議論されていますが、この制度が本当に勤労意欲を削ぐのかは疑問があります。

68歳まで支給開始年齢を引き上げると言いながら、こちらはより多くの年金を支払うというのもいかがなものでしょうか…

これらはまだ「改革案」ですので、今後の動きにはご注意ください。

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在職老齢年金

「厚労省の年金制度改革案」を前回書きました。

改革案の1つに、「働く60~64歳の年金減額幅を縮小(在職老齢年金の見直し)」があります。

在職老齢年金とは、勤務先で厚生年金保険に加入しながら厚生年金を受給する場合、給料と年金の合計額に応じて年金の支給が停止されるしくみのことを言います。

保険料を負担する現役世代とのバランスを考えた制度ですが、要するに、給与収入があるのだから、満額の年金支給がなくても困らないでしょう?年金財政も厳しいしから、年金はちょっと我慢してね、ということでしょう。

ただ、一生懸命働いても年金がカットされるなら、程々に働いたほうが得だ、ということになり、勤労意欲を削ぐものだという批判もあり、今回の改革案が示されました。

ここで、在職老齢年金の計算方法を見てみましょう。

まず、下記①を計算します。

①(※厚生年金月額)+(その月の標準報酬月額)+(その月以前1年間の標準賞与額の総額÷12)

※厚生年金額(加給年金は除く)÷12

①で計算した額が28万円を超えていれば、年金がカットされ、28万円を超えていなければ年金はカットされません。

カットされる額は、28万円を超えた額の半分の額となります。

例えば、①で計算した金額が32万円だった場合は、(32万円-28万円)÷2=2万円

2万円が厚生年金からカットされますので、例えば年金月額が10万円だった場合は、2万円カットされて、月額8万円の支給となります。

なお、上記の計算方法は65歳未満の場合で、65歳以上の計算方法は、上記の28万円を46万円に読み替えて計算します。
(上記46万円は、平成23年4月1日から47万円から46万円に改定されました)

※老齢基礎年金はカットの対象とはなりません。

多く方が上記の計算方法で在職老齢年金が計算できますが、報酬が一定額を超える方や、年金月額が一定額を超える方は、違う計算式がありますのでご注意ください。

また、厚生年金基金に加入していた方の計算方法も注意が必要です。

上記①の厚生年金月額は、厚生年金基金から支給される「代行部分」の年金と、国から支給される厚生年金の合計となります。

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厚労省の年金制度改革案

厚生労働省は23日、税と社会保障の一体改革に関する集中検討会議に年金改革案を提示しました。

主な改革案は以下の通りです。

●現行制度の改善

・低所得者の年金を加算

・非正規労働者の厚生年金加入要件緩和(週の勤務時間が20時間以上で加入)

・厚生年金と共済年金を一元化

・受給資格期間を短縮

・高所得者の年金減額か税負担引き上げ

・働く60~64歳の年金減額幅を縮小(在職老齢年金の見直し)

・高所得の会社員の保険料を引き上げ(標準報酬上限の引き上げ)

・産休中の保険料を免除

・基礎年金国庫負担率2分の1を維持

・マクロ経済スライドの見直し

(マクロ経済スライド・・・年金額を決める際、物価や賃金だけでなく、年金の支え手である現役世代の減少や、高齢化により年金を受ける期間が延びることなどを反映させる仕組み。デフレ下では発動されず、効果が出ていない)

●新年金制度の骨格

・所得比例年金(社会保険方式)

・最低保障年金(税財源)

それぞれの案の詳細は、今後このブログでお伝えしていきたいと思います。

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第3号被保険者切り替え漏れ 2年分で全納扱い

配偶者が会社を退職するなどして資格を失った後も国民年金の第3号被保険者のままとなっている加入者について、日本年金機構は、過去2年の未納保険料を納めればそれ以前も支払っていたとみなす措置を決め、1月から運用が始まりました。

●「第3号被保険者」とは?

国民年金の被保険者は1号、2号、3号があります。

○第1号被保険者・・・自営業者、20歳以上の学生、無職の者など 

○第2号被保険者・・・厚生年金、共済年金など被用者年金の加入者

○第3号被保険者・・・第2号被保険者に扶養されている配偶者で、20歳以上60歳未満のもの

3号被保険者は通常、サラリーマンの夫に扶養される専業主婦や原則年間収入130万円未満のパートなどですが、「専業主夫」でも条件に該当すれば、当然、3号被保険者になります。

3号被保険者の保険料は、配偶者が加入している年金制度から国民年金制度に対して拠出金として納付されますので、個別に納める必要はありませんし、夫(妻)の給料から個別に引かれることもありません。

さて、本題に戻りますが、「3号被保険者のままとなっている加入者」とはどのようなことなのでしょうか。

3号被保険者に該当する場合(3号被保険者になる際)、届出は会社が行います。

3号被保険者は、「2号被保険者に扶養されている」ことが条件なので、2号被保険者(夫など)が退職して2号被保険者でなくなれば、3号被保険者(妻など)は1号被保険者となります。

ここが問題点なのですが、このような場合、本人(妻など)が1号被保険者に切り替える手続きをしなくてはなりません。

この手続きを知らない人が多く、手続き漏れが多くなっているのです。

1号被保険者は毎月保険料を納付しなければいけませんが、手続きを行っておらず保険料を払っていませんので、この期間は「保険料未納」の状態となります。

年金保険料未納ですから、年金額が少なくなったり、最悪は25年の加入期間を満たさず年金を貰えないということもありえます。

しかし、この切り替え手続きについて、行政側が周知していなかったという反省もあって、「過去2年の未納保険料を納めればそれ以前も支払っていたとみなす措置」を決めたということになります。

ただ、この措置には批判もあります。

救済される人にとっては良い制度ですが、真面目に保険料を払ってきた人にとっては、「正直者がバカをみるのか」ということになります。

確かに、このような批判が出るのは当然のことでしょう。

周知やシステム等、行政側の不備が多い問題だと思いますが、周知という面では、退職者の配偶者が3号被保険者である場合は、担当者が「変更の手続きをしてね」と案内することも必要かもしれませんね。

この措置について、詳しい資料はこちら

23.2.25追記

次のようなニュースが流れました。

「細川律夫厚生労働相は2月24日の予算委員会で、1月から始めた救済を一時停止する方針を示し、今後の対応は総務省と協議して近く結論を出すとのこと。」

いったい何をやっているのでしょうか・・・

厚労省の救済案に対して、不公平だということで総務省が反対したわけですが、厚労省と総務省、お互いコミュニケーションが取れていないから、このような混乱が生じてしまうのではないでしょうか。

一連の不祥事で、年金に対する不信感が強まっていますが、この混乱で、さらに不信感が強まりそうです・・・

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平成23年度の年金額、0.4%の引下げ

現在支給されている年金は、法律上、直近の年金額引下げの年(現在は平成17年の物価が基準)よりも物価が下がった場合、これに応じて年金額を改定することとしています。
 
平成22年の物価は、基準となる平成17年の物価と比較してマイナス0.4%となったことから、平成23年度の年金額は0.4%の引下げとなります。(4月分が支払われる6月の支払から、額が変わります。)

《平成23年度の年金額》

国民年金
[老齢基礎年金(満額):1人分] 月額65,741円 (▲267円)

厚生年金
[夫婦2人分の老齢基礎年金を含む標準的な年金月額] 231,648円 (▲944円)

なお、平成23年度の国民年金保険料額は、22年度から80円引き下げの15,020円(月額)となります。

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アイルランドとの社会保障協定

スペインとの社会保障協定が12月1日に発効されることを、9月2日の記事(こちら)に書きましたが、スペインに続き、アイルランドとの社会保障協定が平成22年12月1日(水)に効力を生ずることになりました。

既に発効済みのドイツ、イギリス、韓国、アメリカ、ベルギー、フランス、カナダ、オーストラリア、オランダ及びチェコ、そして12月1日に発効予定のスペインとの間の社会保障協定に続く、12カ国目の社会保障協定となります。

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スペインとの社会保障協定

「社会保障に関する日本国とスペインとの間の協定」の効力発生のための外交上の公文の交換が,9月1日(水),東京において行われ、これにより,本協定は本12月1日(水)に効力を生ずることになりました。

さて、社会保障協定とはなんぞや?という方に簡単に説明しましょう。

海外の支店に転勤になったというような場合、通常は相手国の社会保障制度と日本の社会保障制度に加入する必要があり、二重加入の問題が生じてしまいます。

また、相手国の年金制度の加入期間が短いために、年金の受給に必要な期間を満たさず,年金を受給できないとの問題も生じます。

この問題を解決しようというのが社会保障協定なのです。

協定により,派遣期間が5年以内であれば,原則として派遣元国の社会保障制度にのみ加入することになります。
また,両国での保険期間を通算してそれぞれの国における年金の受給権を確立できることとなります。

現在、ドイツ、イギリス、韓国、アメリカ、ベルギー、フランス、カナダ、オーストラリア、オランダ、チェコと協定が発効しており、スペインは11カ国目となります。

協定内容は各国で異なります。
例えば、公的年金のみが対象となる国と医療保険と公的年金両方対象になる国があります。

System01_4         (旧社会保険庁HPより・クリックすると拡大できます)

手続ですが、日本から協定相手国に派遣され就労する場合は、日本の社会保障制度に加入していることを証明する「適用証明書」の交付を年金事務所から受ける必要があります。
そしてこの「適用証明書」を協定相手国内の事業所に提出します。

協定相手国の規定により相手国実施機関に提示または提出を求められた時、また協定相手国の社会保障制度に加入していない理由を尋ねられた時には、証明書を提示または提出することになります。

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