カテゴリー「 労働基準法」の記事

厚労省が「ブラック企業」の実態調査を実施へ

 厚生労働省は、劣悪な労働環境などが社会問題となっている、いわゆる「ブラック企業」ついて、9月から実態調査を始めると発表しました。

調査期間は1カ月で、離職率が高かったり過重労働の疑いがあったりする約4,000社が対象となる見込みです

 調査では企業に対し、長時間労働や賃金不払いの残業(サービス残業)などの法令違反がないよう指導し、再発防止の徹底を図ります。過労による労災申請があった企業は是正確認後も監督指導を継続します。

 重大で悪質な違反が確認され、改善がみられない企業は、調査にあたった労働基準監督署が送検するとともに、社名や違反内容を公表するとのことです。

 厚労省がブラック企業対策に乗り出すのは初めてで、いよいよ「ブラック企業」が社会問題として認識されたといえるでしょう。

 企業は適切な労務管理を実施しているか、今一度確認する必要があります。
労務管理の専門家である社労士の活用をぜひご検討ください。

厚労省発表資料はこちら

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「労働基準関係情報メール窓口」を11月に開設

サービス残業などの労基法に違反する情報を、メールで情報提供できる窓口が11月1日から新たに開設されます。

以下は厚生労働省の発表記事です。

1 労働基準監督署が労働時間や賃金の問題について監督指導すべき事業場を的確に把握し、適切な指導を行うためには、労働者やご家族の方などから多くの情報を得ることが大変重要になっています。このため、厚生労働省では24時間受付が可能なメール窓口(「労働基準関係情報メール窓口」)を設けます。

2 「労働基準関係情報メール窓口」では、職場での長時間労働、賃金不払残業(サービス残業)をはじめとする労働基準法などに関係する問題がある場合に、電子メールで情報を受け付けます。受け付けた情報は、関係する労働基準監督署へ情報提供し、監督指導業務の参考として、役立てます。

3 また、厚生労働省では、11月を「労働時間適正化キャンペーン」期間とし、長時間労働やこれに伴う問題を解消するための取り組みを集中的に実施しますが、これに合わせて、「労働基準関係情報メール窓口」で職場の労働時間に関する情報を重点的に受け付けます。

労使トラブルが起こった際に、労働者が「労基署に訴えるぞ!」と言うケースがよくあります。

本当に訴えることもありますが、労基署に出向いていろいろ説明して・・・となると、と労働者側の負担も大きいので、実際には訴えられなかった、ということもあります。

しかし、メールで訴えができるようになれば、そのような負担が軽減されるので、労働者の訴えは今後ますます多くなると思われます。

「提供された情報は業務の参考にする」とされていますので、メールでの情報提供で即、申告監督(労働者が労基署に訴えたことにより、労基署が会社を調査すること)とはならないのかもしれませんが、メールの内容が具体的な内容であれば、その会社を調査の対象にすることは当然あり得ると思われます。

トラブルを防止するためにも、会社はより適切な労務管理を実施する必要があります。

自社の労務管理が本当に適切か、今一度チェックしましょう!

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計画停電時の休業手当について

大震災の影響は甚大で、経済活動にも支障が生じています。

また、余震や原発の問題で疲れや不安が増しているかと思いますが、この危機は皆で力を合わせて乗り越えていくしかありません。

頑張りましょう!

現在計画停電が実施されていますが、それに伴い従業員を休業させている企業もあるかと思います。

使用者の責に帰すべき事由による休業の場合、使用者は休業対象者に、平均賃金の60%の休業手当を支払わなくてはなりません。(労働基準法26条)

裏を返せば、使用者の責でない休業であれば、休業手当を支払わなくてもよいということです。

天災事変で事業場が被災した場合、休電により事業ができない場合等は、「使用者の責ではない休業」とされていますが、今回のような計画停電の場合も「使用者の責でない休業」とする通達が出されました。

通達はこちら

なお、計画停電の時間帯以外の時間帯の休業は、原則として使用者の責に帰すべき事由による休業に該当し、休業手当が必要になりますので注意が必要です。

(ただし、他の手段の可能性、使用者としての休業回避のための具体的努力等を総合的に勘案し、計画停電の時間帯のみを休業とすることが著しく不適当と認められるときには、使用者の責でない休業とされます)

ところで、今回の震災では、交通手段の問題や、取引企業の休業等で、自宅待機を命じている企業もあります。

このような場合は原則として休業手当が発生すると思われます。

明確な通達もなく、監督署に問い合わせてもケースバイケースと言われますが、計画停電と同じように、他の手段の可能性、使用者としての休業回避のための具体的努力等を総合的に勘案して判断されます。

ただ、この大変な時期に、「払う、払わない」でモメている場合ではありません。

短期間の休業であれば、休業日に有給休暇を使ってもらうことも一つの方法でしょう。

トラブルになって余計な時間を使うことにならないよう、休業時の賃金の取扱いついては労使間でよく話し合ってください。

この危機を乗り越えるためには、労使のコミュニケーションを密にし、一致団結することが何よりも必要なことだと思います。

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2社以上で勤務する場合の割増賃金

多くの企業では「副業」は禁止されています。

しかし、昨今の不景気で会社都合の休業をせざるを得なくなり、特別に副業を認めるというケースも増えています。

副業についての注意点はいくつかありますが、今回は副業に関する労働時間や割増賃金についての注意点についてご説明いたします。

(例)さかばさんがA社で6時間働き、その後B社で3時間働いた場合

労働基準法では労働時間が1日8時間を超えた場合に、割増賃金の支払いを義務づけています。

となると、A社もB社も、さかばさんの労働時間は8時間を超えていないので、割増賃金の支払いはしなくてもよいのでしょうか。

答えは否です。

労働基準法38条1項には、
「労働時間は、事業所を異にする場合においても、労働時間に関する規定の適用については通算する」とあります。

つまり、さかばさんの労働時間は、A社の6時間とB社の3時間の合計「9時間」となります。

さて、ここで問題になるのは、8時間を超えた1時間の割増賃金はA社、B社、どちらが支払うのかということです。

この点については学説もわかれており、
①労働者と時間的に後で労働契約を締結した事業主が時間外労働の手続きなどを負うという説、
②労働者の1日の労働時間が8時間を超えて以降使用する事業主が義務を負うという説があります。

さかばさんの本業はA社で、副業として後からB社と契約して、A社の終業後にB社で働くとなった場合は、どちらの説によっても、B社が割増賃金を支払わなければならなことになります。

この労働時間の通算については、あまり知られていないように思います。

B社が通算について知っていたとしても、B社が割増賃金を支払うためには、A社での労働時間を把握する必要があります。

A社での労働時間を把握するという面倒な作業を、果たしてB社が行うでしょうか・・・

現実は通算してきちんと割増賃金を支払っている企業は少ないと思われますが、法律は上記の通りなので、通算して8時間を超える場合に割増賃金を支払わないことは違法となります。

割増賃金の問題以外にも、副業は長時間労働になる場合が多いので、労働者の健康問題など、企業の安全配慮義務の問題も考えなくてはいけません。

ですから、副業を認める企業、または副業している労働者を受け入れる企業は、勤務時間について細心の注意を払う必要があるでしょう。

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川崎市立病院に是正勧告(宿日直勤務について)

12月16日のニュースです。

「医師の残業代1億円超未払い 川崎市立病院に是正勧告」

川崎市立川崎病院(同市川崎区)が、医師に残業代の一部を支払っていなかったとして、川崎南労働基準監督署から労働基準法に基づく是正勧告を受けていたことが16日、分かった。

 同病院によると、残業代未払いの対象は医師175人で、平成20年10月~22年10月までの支給分総額約1億1400万円。来年度までに全額支払う。

 同病院は従来、宿直勤務(午後5時~翌日午前8時半)にあたる医師に宿直手当と診察や治療などの割増賃金だけを支払っていたが、同労基署が21年9月に待機などをしている時間も残業に当たるとして残業代を支払うように勧告した。同病院によると、地方自治法の規定で、20年9月以前の未払い分は時効という。

 同病院庶務課は「指摘されるまでは適法だと思っていた。労基署と病院側の残業に関する解釈が違っていた」と話している。

「宿直勤務」と言われても、日勤の会社員だとあまりピンとこない話だと思います。

「宿日直勤務」に関して、労働基準法41条で次のように定められています。

「労働基準法で定める労働時間、休憩、及び休日に関する規定は、次のいずれかに該当する労働者については適用しない。
○農水産業従事者○管理監督者等○監視・断続的労働従事者(宿日直勤務者)

つまり、宿日直勤務は断続的労働ということで、労働時間、休憩、休日は労働基準法の適用外になります。
なお、監視・断続的労働従事者、宿日直勤務者で法41条の適用を受けるためには、労働基準監督署の許可が必要です

しかし、宿日直勤務であればすべて法41条の対象になるわけではありません。
病院における許可基準は通達で次のように示されています。

(1)勤務の態様

   常態としてほとんど労働する必要がない勤務のみを認めるものであり、病室の定時巡回、少数の要注意患者の検脈、検温等の特殊な措置を要しない軽度の、又は短時間の業務を行うことを目的とするものに限ること。したがって、原則として、通常の労働の継続は認められないが、救急医療等を行うことが稀にあっても、一般的にみて睡眠が充分とりうるものであれば差し支えないこと。

   なお、救急医療等の通常の労働を行った場合、下記3のとおり、法第37条に基づく割増賃金を支払う必要があること。

(2)睡眠時間の確保等

   宿直勤務については、相当の睡眠設備を設置しなければならないこと。また、夜間に充分な睡眠時間が確保されなければならないこと。

(3)宿日直の回数

   宿直勤務は、週1回、日直勤務は月1回を限度とすること。

(4)宿日直勤務手当

   宿日直勤務手当は、職種毎に、宿日直勤務に就く労働者の賃金の11日平均額の3分の1を下らないこと。

上記の許可基準から判断すると、救急医療を頻繁に行なう川崎市立病院のような大病院では、法41条の宿日直勤務が許可されることは少ないかと思います。

今回のケースは、法41条の適用を認めず、また、診療をしていない待機時間であっても、急病人等の対応のために待機しているので、仕事から解放される休憩時間でもなく、労働時間となるとの判断だったのでしょう。

この病院の宿直問題は、川崎市立病院に限った話ではなく、他の病院でもよく聞く問題です。

人件費を抑えるために、法41条を都合よく解釈して運用している病院が多いのかもしれません。

川崎市立病院は1億円超の未払い残業代を全額払うと言っていますが、経営が厳しい病院が多い中、払いたくても払えない病院もあるでしょう。

もちろん、経営難だから残業代を払わなくてもよい、ということが認められるわけもありません。

様々な問題がある現在の医療ですが、このような勤務時間・残業時間の問題も深刻な問題の1つです。

病院の努力も必要ですが、それだけですべてを解決することは難しいと思うので、やはりしっかりとした国の政策・対応が重要ではないでしょうか。

なお、病院の宿直勤務に関して、医療機関における休日及び夜間勤務の適正化についてという通達があるので、興味のある方はご参照ください。

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整理解雇

会社更生手続き中のJALが、パイロットと客室乗務員を対象に、最大250名整理解雇すると発表がありました。

整理解雇とは、会社が経営不振などの経営上の理由により、人員削減を目的として行う解雇のことを言います。

要するにクビ切りですから、仕事を失った従業員は多大な影響を受けます。
なので、経営不振だから即整理解雇ということは認められず、「整理解雇の4要件」を満たす必要があるとされています。

「整理解雇の4要件」

①人員削減の必要性
②解雇回避義務
③被解雇者選定の相当性
④手続きの妥当性(労働組合や従業員に対する説明協議)

①は、必要性の程度をどのように考えるか問題になります。
以前は人員削減をしなければ倒産するという状況が必要とされていましたが、、最近では、高度の経営危機にあるという状況であれば必要性を認めるという裁判例が増えています。

②は希望退職、配転、役員報酬の減額など、解雇を回避する努力をしていたか、ということが問われます。

③は勤退、勤務成績、勤務態度、会社への貢献度など、解雇者を選定する基準が合理的であるか、ということが問われます。

④は解雇する従業員、または労働組合に対して、上記①から③の事項の説明など、なぜ整理解雇が必要なのか、誠意をもって説明・協議することが求められます。

「4要件」という言葉が使われてますが、最近の裁判例は「4要素説」が主流となっています。

つまり、4要件を満たさなければ整理解雇ができないということではなく、①から④は解雇権乱用を判断する際の要素であり、どれかの要素が欠けても、他の要素がこれを補えば解雇は有効であるという考えです。

法律論はさておき、整理解雇をする際、特に重要なのは④の「従業員への説明・協議」だと私は思っています。

トラブルになる企業は、やはり十分な説明をしていなかったり、陰湿な方法で解雇を迫るようなことを行っている場合が多いです。

会社も生き残りのために必死なのは仕方がないことですが、人間は感情のある動物、不利益を求めるなら、誠意をもって説明することは避けて通れません。

それと、説明し納得を求めると言っても、普段から労使関係が良好でないと、なかかな納得を得られないものです。
「会社の言っていることは信用できない」ということで、モメることになります。

しかし、従業員側も会社のせいにするばかりでなく、どうしてこのような状況になってしまったのか、自分たちにも甘えがなかったのか、しっかり考えなければならないと思います。

JALは長年労使関係が良好ではありませんでしたから、かなりモメることになるでしょう。

経営再建のために税金が投入されている以上、人員整理は仕方がないと思いますが、強引なリストラで安全性を損なうということだけは避けていただきたいものです。

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年俸制の割増賃金

「年俸制だから、残業代の支払いは必要ないと思っていた」

労働基準監督署の立ち入り調査があり、未払い残業代を支払うよう是正勧告を受けた際によく聞く言葉です。

労働基準法で言う管理監督者や裁量労働制が適用される労働者であれば、そのように言うことも可能ではあるので(ただし、管理監督者でも深夜割増賃金は支払う必要があり、裁量労働制は深夜および休日割増賃金も必要)、このあたりをゴッチャにしてしまっている方が多いのかと思います。

管理監督者等ではない年俸制の労働者が時間外労働、休日労働、深夜労働を行った場合は、割増賃金を支払わなければなりません。

一般に賃金は所定労働時間労働した場合の対償として支払われるのが通例であり、この点は年俸制も同様だからです。

しかし、次のような通達があります。

「一般的には、年俸に時間外労働等の割増賃金が含まれていることが労働契約の内容であることが明らかであって、割増賃金相当部分と通常の労働時間に対応する賃金部分とに区別することができ、かつ、割増賃金相当部分が法定の割増賃金額以上支払われる場合は労働基準法第37条に違反していないと解される」(平12・3・8 基収第78号)

分かりやすく言うと・・・

「年俸の中に割増賃金を含んでいると言いたいのなら、年俸のうち、いくらが通常の賃金で、いくらが割増賃金かを区別しておいてね。
その区別した割増賃金は、法定通り計算した割増賃金以上の金額にしてね。
そうすれば、年俸の中に割増賃金を含んでいると言っても、違法と言わないよ!」

ということになります。

ですから、就業規則等に年俸の内訳について規定することが必要になりますし、実際の残業時間(時間外労働)で計算した割増賃金が、就業規則等で規定した割増賃金額を上回る場合は、別途上回った分を支払わなければなりません。

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割増賃金の計算方法 その2

「割増賃金の計算方法 その1」の続きです。

②割増賃金の計算方法

割増賃金=1時間あたりの賃金額×時間外(休日・深夜)労働時間数×割増率

割増率

ア.法定労働時間(1日8時間、1週40時間〔特例措置事業場は1週44時間〕)を超えた場合 ※2割5分以上

イ.深夜(午後10時から午前5時まで)に労働させた場合 2割5分以上

ウ.法定休日(労基法第35条の休日)に労働させた場合 3割5分以上

エ.法定時間外労働が深夜に及んだ場合
時間外労働(2割5分以上)+深夜労働(2割5分以上)=5割以上

オ.法定休日労働が深夜に及んだ場合
休日労働(3割5分以上)+深夜労働(2割5分以上) =6割以上

※月60時間を超える法定時間外労働は5割以上(中小企業は猶予)

●1時間あたりの賃金額の出し方
(割増賃金の算定基礎に含まない手当などに注意。その1の記事参照)

(1)時間給
時間によって定められた賃金については、その金額

(2)日給
日によって定められた賃金については、その金額を1日の所定労働時間数(日によって所定労働時間数が異なるときは、1週間における1日の平均所定労働時間)で除した金額

(3)週給
週によって定められた賃金については、その金額を週の所定労働時間数(週によって所定労働時間数が異なるときは、4週間における1週の平均所定労働時間)で除した金額

(4)月給
月によって定められた賃金については、その金額を月の所定労働時間数(月によって所定労働時間数が異なるときは、1年間における1カ月の平均所定労働時間)で除した金額

(5)旬給等
月、週以外の一定の期間によって定められた賃金については、前各号に準じて算定した金額

(6)請負給、歩合給、出来高払い給など
出来高払い制、その他請負制の賃金は、その賃金算定期間において出来高払い制その他請負制によって計算された金額の総額を、算定期間における総労働時間数で除した金額

※労働者の賃金が上記の2つ以上の賃金により構成されている場合には、それぞれの部分について、それぞれの方法で算出した金額の合計となります。

計算例

基本給170,000円、歩合給100,000円の労働者が月に200時間働いた。そのうち、30時間は時間外労働だった場合。

割増賃金=[(170,000円÷170時間)×30時間×1.25]+[(100,000÷200時間)×30時間×※0.25]=41,250円

※歩合給の割増率が1.25ではなく0.25なのは、歩合給の場合には、時間を延長して働いたことによって成果が上がっている、という面があるので、時間単価に対応する部分(1.25の1.0の部分)は、すでに賃金総額の中に含まれているとされるためです。(平6.3.31基発181など)

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平成21年度 賃金不払残業(サービス残業)是正の結果まとめ

サービス残業で、平成21年に全国の労働基準監督署が是正指導した事案のうち、1企業当たり100万円以上の割増賃金が支払われた事案の状況が発表されました。

●是正企業数            

1,221企業 (前年度比 332企業の減)

●支払われた割増賃金合計額 

116億298万円 (同 80億1,053万円の減)

● 対象労働者数          

11万1,889人 (同 6万8,841人の減)

● 割増賃金の平均額は1企業当たり950万円、労働者1人当たり 10万円

● 1,000万円以上支払ったのは162企業で全体の13.3%、支払われた割増賃金の合計額は85億1,174万円で全体の73.4%を占める

● 1企業での最高支払額は「12億4,206万円」(飲食店)、次いで「11億561万円」(銀行・信託業)、「5億3,913万円」(病院)の順

是正企業数、支払われた割増賃金合計額、対象労働者数とも前年より減少しています。これは、サービス残業に対する企業の意識向上もあるかと思いますが、それよりも、不景気で残業自体が減っていることが大きいのではないでしょうか。

重要なことは、1企業での最高支払額が12億4,206万円、1,000万円以上支払ったの企業が全体の13.3%あるということです。

場合によっては、残業代の支払いで会社が潰れてしまうこともあるかもしれません。

サービス残業の放置は、経営上の大きなリスクになると言っても過言ではないでしょう。

サービス残業について、ホームページで対応策の例をご紹介していますので、よろしければご参照ください。

ホームページはこちら

   

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割増賃金の計算方法 その1

質問を受けることが多い、割増賃金の計算方法。

給与計算をする際の、また社労士試験にもよく出題される基本的な事項ですが、計算をしている時に「あれっ、どうだったっけ?」ということがよくあるものです。

今回は割増賃金の計算方法をもう一度確認しておきましょう。

①割増賃金の算定基礎となる賃金の範囲

割増賃金の算定基礎となる賃金は「通常の労働時間または労働日の賃金」となります。
ただし、次の賃金は割増賃金の基礎となる賃金に算入しません。

(1)家族手当
扶養家族数、またはこれを基礎とする家族手当額を基準として算出する手当

(2)通勤手当
労働者の通勤距離または通勤に要する実際にかかった費用に応じて算出される手当

(3)別居手当

(4)子女教育手当

(5)臨時に支払われれる賃金
臨時的、突発的事由に基づいて支払われるもの、結婚手当など支給要件はあらかじめ確定しているが、支給事由の発生が不確実であり、かつ非常に稀に発生するもの

(6)1カ月を超える期間ごとに支払われる賃金
賞与など

(7)住宅手当
割増賃金の算定基礎から除外される住宅手当とは、住宅に要する費用に応じて算定される手当のことをいいます。

●除外される住宅手当の例

・家賃の一定割合、ローン月額の一定割合を支給するというような、住宅に要する費用に定率を乗じた額を支給する住宅手当

・家賃月額5万円~10万円の者には1万円、家賃月額10万円以上の者には2万円というような、住宅に要する費用を段階的に区分し、費用が増えるにしたがって額を多くして支給するような住宅手当

●除外されない住宅手当の例

・賃貸居住者には1万円、持家居住者には2万円というような、住宅の形態ごとに一律定額で支給される住宅手当

・扶養家族がある者は2万円、扶養家族がない者は1万円というような、住宅以外の要素に応じて定率または定額で支給される住宅手当

これらの手当が算定基礎に含まれるか否かは、その名称によってではなく、実質的内容によって判断されます。

たとえば、その名称が生活手当となっていても、それが扶養家族数を基礎として算定した手当であれば、その手当は家族手当として取り扱われます。
逆に、名称が家族手当となっていても、扶養家族数に関係なく一律に支給される手当であれば、その手当は割増賃金の算定基礎から除外できません。

その2につづく

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