健康情報を取り扱う際の留意事項の改正
平成24年5月14日に「雇用管理分野における個人情報保護に関するガイドライン」(平成24年厚生労働省告示第357号)が公布され、平成24年7月1日から適用されることを踏まえ、「雇用管理に関する個人情報のうち健康情報を取り扱うに当たっての留意事項について」(平成16年10月29日付け基発1029006号。)が改正されることになりました。
主な改正内容として、以下の項目(要約)が新設されました。
1.事業者が健康診断の実施に当たって、健康診断の実施に必要な労働者の個人データを医療機関に提供すること、医療機関から健康診断結果を事業者に提供することについては、安衛法に基づく事業者の健康診断実施義務を遂行する行為であり、個人情報保護法第23条第1項第1号の「法令に基づく場合」に該当し、本人の同意を得なくても第三者提供の制限は受けないこと
2.高齢者の医療の確保に関する法律(昭和57年法律第80号)第27条第2項及び第3項の規定により、医療保険者は、加入者を使用している事業者又は使用していた事業者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、安衛法その他の法令に基づき、その事業者が保存している加入者に係る健康診断に関する記録の写しを提供するよう求めることができる。
事業者が当該記録の写しを提供することは、法令に基づくものであるので、法第23条第1項第1号に該当し、本人の同意なく提供できること
個人情報保護法の施行後、個人情報管理に関して様々な疑問や混乱、また弊害も生じました。
健康診断の第三者提供問題に関しても、頭を悩ませた人事担当者は多いのではないでしょうか。
上記事項は、従来から記載の取り扱いで問題ないとされていましたが、やはり解釈がはっきりしないということで明文化されたのでしょう。
ただし、健康診断情報の第三者提供に関して、制限を受けないのは「法令に基づく場合」ですので、法定以上の健康診断項目は制限を受けることには注意が必要です。
この場合、その都度同意を求めていると大変なので、就業規則や入社時の誓約書などで、健康情報の利用目的の提示および第三者提供の包括的同意を得るようにしておくとよいでしょう。
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