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2012年2月

始業時間前の労働時間(マンガ労務相談 その6)

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 始業時間前に朝礼、掃除などを行う際に、その時間が「労働時間か否か?」という問題が生じます。
労働時間となれば、当然その時間に対する賃金を支払う必要があります。

 労働時間か否かの判断は、「使用者の指揮命令の下にあるか」がポイントです。

 始業時間前に行う仕事の準備や朝礼、掃除などが使用者の明示または黙示の指揮命令で行われている場合は、その時間は労働時間とされます。

 上記老夢課長のように、「始業10分前までに出勤せよ」と言ってしまうと、「使用者の指揮命令」ということで、労働時間とされる可能性が高くなると思われます。

 とは言え、老夢課長の言うとおり、始業時間に仕事を開始できるように出勤することは社会人として当然のことだと言えます。

 言動が難しいところですが、「早く出勤せよ」と言うのではなく、社会人としての心構え、ギリギリ出勤は「時間にルーズな人間」という印象を持たれ、結局は自分自身の評価を下げてしまうものだということを指導・教育して、本人の自発的な変化を促すことが必要でしょう。
 
 (ただし、始業時間前に行う仕事が、本来の業務遂行上、始業時間前に行うことが必要不可欠な仕事であれば、準備時間として時間外手当を支払い、始業開始前出勤を命じることが妥当です。)

 さて、この例とは正反対になりますが、毎日かなり早く出勤する従業員も少なからず存在します。
 「労働時間か否か」の観点から、これは問題にならないのでしょうか?

 上記の通り、使用者の指揮命令下になければ労働時間になりません。
しかし、「指揮命令下でないから大丈夫だ」判断してしまうのは早計です。

 管理監督者は「早く出勤して何をしているのか」を把握することは必要でしょう。

 早く出勤すれば、早く仕事を始めることが多いと思いますが、それが余裕をもった始業準備という本人の自発的な行動なのか、仕事全体を見て、その仕事を始業時間前に行うことが必要不可欠なものなのかを、管理監督者は把握する必要があります。

 後者の場合だと、その行為は使用者の指揮命令の下に行われたと判断され、労働時間とされる可能性があります。
(自主的行動ということが建前であっても、「黙示の指揮命令」とされると労働時間となるので注意が必要です。)

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職場のセクハラ対策(マンガ労務相談 その5)

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「職場におけるセクシュアルハラスメント」には「対価型」と「環境型」があります。


「対価型セクハラ」とは

 労働者の意に反する性的な言動に対する労働者の対応(拒否や抵抗)により、その労働者が解雇、降格、減給など(労働契約の更新拒否、昇進・昇格の対象からの除外、客観的に見て不利益な配置転換など)の不利益を受けること。

● 典型的な例
・事務所内において事業主が労働者に対して性的な関係を要求したが、拒否されたため 、その労働者を解雇すること。
・出張中の車中において上司が労働者の腰、胸などに触ったが、抵抗されたため、その 労働者について不利益な配置転換をすること。
・営業所内において事業主が日頃から労働者に係る性的な事柄について公然と発言して いたが、抗議されたため、その労働者を降格すること。


「環境型セクハラ」とは

 労働者の意に反する性的な言動により労働者の就業環境が不快なものとなったため、能力の発揮に重大な悪影響が生じるなどその労働者が就業する上で看過できない程度の支障が生じること。

● 典型的な例
・事務所内において上司が労働者の腰、胸などに度々触ったため、その労働者が苦痛に 感じてその就業意欲が低下していること。
・同僚が取引先において労働者に係る性的な内容の情報を意図的かつ継続的に流布した ため、その労働者が苦痛に感じて仕事が手につかないこと。
・ 労働者が抗議をしているにもかかわらず、事務所内にヌードポスターを掲示してい るため、その労働者が苦痛に感じて業務に専念できないこと。


●判断基準(厚労省のセクハラ対策パンフレットから引用)

 セクハラの状況は多様であり、判断に当たり個別の状況を斟酌する必要があります。
 また、「労働者の意に反する性的な言動」および「就業環境を害される」の判断に当たっては、労働者の主観を重視しつつも、事業主の防止のための措置義務の対象となることを考えると一定の客観性が必要です。

 一般的には意に反する身体的接触によって強い精神的苦痛を被る場合には、一回でも就業環境を害することとなり得ます。
 
継続性または繰り返しが要件となるものであっても、「明確に抗議しているにもかかわらず放置された状態」または「心身に重大な影響を受けていることが明らかな場合」には、就業環境が害されていると判断し得るものです。

 また、男女の認識の違いにより生じている面があることを考慮すると、被害を受けた労働者が女性である場合には「平均的な女性労働者の感じ方」を基準とし、被害を受けた労働者が男性である場合には「平均的な男性労働者の感じ方」を基準とすることが適当です。

 さて、上記判断基準を踏まえると、老夢課長の発言はセクハラになるのでしょうか?

 セクハラになるとすれば「環境型セクハラ」になりますが、セクハラ発言がこの時だけなら、継続性、繰り返しがなく、就業する上で看過できない程度の支障が生じるとは思えないので、セクハラにはならないでしょう。
(セクハラにはならなくても、この発言により、老夢課長の人間性を疑われる可能性はありますが・・・)

 セクハラなどのハラスメントは職場内のコミュニケーション不全の結果、起きることがよくあります。
 同じ発言でも、その発言者により、ハラスメントと感じたり、感じなかったりするものです。
 要するに、信頼関係のない人や、嫌いな人が言うことには反発を覚えるということです。

 もちろん、対価型セクハラや身体に接触すること、反復継続した性的言動では、どんなに信頼関係があってもハラスメントとなりますが、一般的に問題ないとされる言動でもすぐ、「セクハラだ!」や「パワハラだ!」と言われる方は、まずは職場内のコミュニケーションから見直し、信頼関係の構築を図る必要があるでしょう。


 
●男女雇用機会均等法のセクハラ対策

●均等法は、セクハラ対策として雇用管理上必要な措置を講ずることを事業主に義務づけています。(均等法11条)
●講ずべき具体的な措置の内容および措置の例示は指針(「事業主が職場における性的な言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置についての指針」)において9項目示されています。
●男性に対するセクハラも措置の対象です。

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喫煙休憩(マンガ労務相談 その4)

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 大きなトラブルというわけではありませんが、意外と多くの会社で問題となっているのが、この業務時間内の「喫煙休憩」です。
 健康増進法の施行や受動喫煙防止の観点から、喫煙所は屋外等の仕事場から離れた場所に設置されることが多くなりました。
そのため喫煙休憩のため席を離れると、ちょっと一服の域を超えて長時間になりがちです。

 喫煙者の言い分は、「リフレッシュした方が効率的に仕事ができる」「喫煙所では普段は話さない他部署の人とコミュニケーションが図れる」などの意見があります。

 確かにそのような面もあり、業務に支障がなければ大目に見てもよいという考えも間違いとまでは言えないかもしれません。
 しかし、非喫煙者より多くの休憩を取っていることは事実であり、非喫煙者が不公平感を持っているとすれば、やはり何らかの対策は必要でしょう。

 対策として、例えば以下のようなことが考えられます。
業務時間内の喫煙休憩禁止を徹底する
常識の範囲内で認める
休憩時間を分割する
(例えば、昼休みが1時間だった場合、10時に10分、昼休みが40分、15時に10分の休憩など)
 労働基準法では、労働時間が6時間を超える場合は45分、労働時間が8時間を超える場合は1時間の休憩を労働時間の途中に与える必要がありますが、一度にその時間を与えなければならないとは定められていないので、分割付与も可能です。
 (ただし、上記の例では昼休みが短くなるので、その不満が出る可能性は大きく、短い休憩時間では、頭と体をリフレッシュするという本来の休憩時間の意義を失う恐れがあるので注意が必要です)

 大きなトラブルではないので、何となくそのまま放置している会社も多いですが、大きなトラブルは、このような小さな不満が積み重なって引き起こされるものです。

 喫煙休憩が問題になっている場合は、職場内でよく話し合い、ルールを決めるのが望ましいでしょう。

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