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男女差のある「障害等級」の見直し

業務上の事故で、頭や顔、首といった「外ぼう(日常的に人目に付く部分、外見)」にやけどや傷跡などが残った場合、労災保険から「障害補償給付」が支給されます。

その際、「労働者災害補償保険法施行規則」に定める障害等級表に基づいて障害認定を行いますが、現行規定では、障害が同じ程度でも男性は女性より低く取り扱われることになっています。

昨年6月、「男女の障害等級に5等級の差を設けていることは違憲」とする京都地裁判決が確定したことを受けて、厚生労働省は平成23年2月1日に改正省令を施行する予定です。

現在、外ぼう障害に係る障害等級は、男女別に次のようになっています。

●女性 

女性の外ぼうに著しい醜状を残すもの・・・障害等級第7級

女性の外ぼうに醜状を残すもの    ・・・障害等級第12級

●男性

男性の外ぼうに著しい醜状を残すもの・・・障害等級第12級

男性の外ぼうに醜状を残すもの    ・・・障害等級第14級

改正後は、男女別の区別を無くし、次のようになります。

外ぼうに著しい醜状を残すもの     ・・・障害等級第7級

外ぼうに相当な醜状を残すもの(新設)・・・障害等級第9級

外ぼうに醜状を残すもの         ・・・障害等級第12級

上肢の露出面に、手のひらの大きさの醜いあとを残すものなど

                        ・・・障害等級第14級

同じ障害でも男性の障害等級が低くされていたのは、外ぼうの障害ということで、女性のほうが社会生活上より不利益が大きいという理由からでしょう。

判決では、「本件差別的扱いについて、その策定理由に根拠がないとはいえない」としつつも、「本件全証拠や全趣旨を省みても、上記の大きな差をいささかでも合理的に説明できる根拠は見当たらず、結局、本件差別的取扱いについては、上記策定理由との関連で著しく不合理なものあると言わざるを得ない」としています。

従来、ほとんど問題になることはありませんでしたが、男性のほうが条件が悪いという制度は探せば結構あるかもしれません。

例えば厚生年金の支給開始年齢は、現在、段階的に繰り下げられていますが、女性のほうが5年間遅くなっています。

最終的には、男性は昭和36年4月2日以降、女性は昭和41年4月2日以降生まれになると65歳から支給開始となりますが、このように男女で差があるのは、女性のほうが長く働けないケースが多く、生涯賃金も低く、現在は違法ですが、以前は女性の定年年齢を男性より早く設定していた会社も多かった・・・などの理由だと思います。

合理的な理由だと思いますが、いざ裁判になったら、合理的な理由として認められるのでしょうか・・・

時代も変わり、今までの常識が常識でなくなってきているのかなと感じますね。

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