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2010年12月

労働政策審議会建議「今後の職場における安全衛生対策について」

労働政策審議会にて、今後の職場における安全衛生対策について建議が行われました。

建議において実施すべきとされた対策の主なものは以下のとおりです。

・職場における受動喫煙防止対策の抜本的強化     
・職場におけるメンタルヘルス対策の推進  

受動喫煙の問題に関しては以前記事を書きましたが(こちら)、厚労省研究班の発表によると、受動喫煙により国内で少なくとも年間約6800人が死亡しており、そのうち職場での受動喫煙が原因で死亡した人は約3600人とのことです。

案によると「一般の事務所、工場等については、全面禁煙や空間分煙とすることを事業者の義務とすることが適当」とされています。

○「全面禁煙」又は「喫煙室を設けそれ以外を禁煙」のいずれかの措置を講じている事業所の割合:46%、
○職場で受動喫煙を受けている労働者:65%、、
○喫煙対策の改善を職場に望む労働者:92%(平成19年労働者健康状況調査)

という状況からも、受動喫煙対策が求められるというのは当然の流れでしょう。

メンタルヘルス対策についても以前記事に書きましたが(こちら)、企業のメンタルヘルス対策はますます重要なものとなっています。

○年間3万人を超える自殺者のうち、約9千人が「被雇用者・勤め人」で、「勤務問題」を自殺の原因の一つとする者は約2,500人(H21)
○ 精神障害等による労災認定件数は、127件(H17)から234件(H21)に増加
○ メンタルヘルス対策に取り組んでいる事業所の割合は34%に留まる
(平成19年労働者健康状況調査)

上記の状況から見ると、企業のメンタルヘルス対策が求められるというのも、当然の流れなのではないでしょうか。

案では、次のように提案されています。

○事業者の取組の第一歩として、ストレス症状を有する者に対する面接指導制度を導入する
○産業医有資格者、メンタルヘルスに知見を有する医師等で構成された外部専門機関に嘱託産業医と同様の役割を与える

今後の法改正がどのようになるかはまだ未知数ですが、快適な職場環境を作り、働く者の健康を守るという意味において、法で強制されていなくとも、受動喫煙、メンタルヘルス問題は企業が対策を取るべき事項でしょう。

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川崎市立病院に是正勧告(宿日直勤務について)

12月16日のニュースです。

「医師の残業代1億円超未払い 川崎市立病院に是正勧告」

川崎市立川崎病院(同市川崎区)が、医師に残業代の一部を支払っていなかったとして、川崎南労働基準監督署から労働基準法に基づく是正勧告を受けていたことが16日、分かった。

 同病院によると、残業代未払いの対象は医師175人で、平成20年10月~22年10月までの支給分総額約1億1400万円。来年度までに全額支払う。

 同病院は従来、宿直勤務(午後5時~翌日午前8時半)にあたる医師に宿直手当と診察や治療などの割増賃金だけを支払っていたが、同労基署が21年9月に待機などをしている時間も残業に当たるとして残業代を支払うように勧告した。同病院によると、地方自治法の規定で、20年9月以前の未払い分は時効という。

 同病院庶務課は「指摘されるまでは適法だと思っていた。労基署と病院側の残業に関する解釈が違っていた」と話している。

「宿直勤務」と言われても、日勤の会社員だとあまりピンとこない話だと思います。

「宿日直勤務」に関して、労働基準法41条で次のように定められています。

「労働基準法で定める労働時間、休憩、及び休日に関する規定は、次のいずれかに該当する労働者については適用しない。
○農水産業従事者○管理監督者等○監視・断続的労働従事者(宿日直勤務者)

つまり、宿日直勤務は断続的労働ということで、労働時間、休憩、休日は労働基準法の適用外になります。
なお、監視・断続的労働従事者、宿日直勤務者で法41条の適用を受けるためには、労働基準監督署の許可が必要です

しかし、宿日直勤務であればすべて法41条の対象になるわけではありません。
病院における許可基準は通達で次のように示されています。

(1)勤務の態様

   常態としてほとんど労働する必要がない勤務のみを認めるものであり、病室の定時巡回、少数の要注意患者の検脈、検温等の特殊な措置を要しない軽度の、又は短時間の業務を行うことを目的とするものに限ること。したがって、原則として、通常の労働の継続は認められないが、救急医療等を行うことが稀にあっても、一般的にみて睡眠が充分とりうるものであれば差し支えないこと。

   なお、救急医療等の通常の労働を行った場合、下記3のとおり、法第37条に基づく割増賃金を支払う必要があること。

(2)睡眠時間の確保等

   宿直勤務については、相当の睡眠設備を設置しなければならないこと。また、夜間に充分な睡眠時間が確保されなければならないこと。

(3)宿日直の回数

   宿直勤務は、週1回、日直勤務は月1回を限度とすること。

(4)宿日直勤務手当

   宿日直勤務手当は、職種毎に、宿日直勤務に就く労働者の賃金の11日平均額の3分の1を下らないこと。

上記の許可基準から判断すると、救急医療を頻繁に行なう川崎市立病院のような大病院では、法41条の宿日直勤務が許可されることは少ないかと思います。

今回のケースは、法41条の適用を認めず、また、診療をしていない待機時間であっても、急病人等の対応のために待機しているので、仕事から解放される休憩時間でもなく、労働時間となるとの判断だったのでしょう。

この病院の宿直問題は、川崎市立病院に限った話ではなく、他の病院でもよく聞く問題です。

人件費を抑えるために、法41条を都合よく解釈して運用している病院が多いのかもしれません。

川崎市立病院は1億円超の未払い残業代を全額払うと言っていますが、経営が厳しい病院が多い中、払いたくても払えない病院もあるでしょう。

もちろん、経営難だから残業代を払わなくてもよい、ということが認められるわけもありません。

様々な問題がある現在の医療ですが、このような勤務時間・残業時間の問題も深刻な問題の1つです。

病院の努力も必要ですが、それだけですべてを解決することは難しいと思うので、やはりしっかりとした国の政策・対応が重要ではないでしょうか。

なお、病院の宿直勤務に関して、医療機関における休日及び夜間勤務の適正化についてという通達があるので、興味のある方はご参照ください。

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高額療養費 世帯合算

同一月に、同一病院に支払う医療費が一定の自己負担限度額を超えた場合、健康保険から「高額療養費」が支給されます。

詳細については協会けんぽなどのHPを見ていただくとして、高額療養費は比較的よく知られている制度かと思います。

ただ、高額療養費制度のうち、「世帯合算」という制度があることはあまり知られていなのではないでしょうか。

○世帯合算とは?

健康保険証の記号番号が同じである被保険者とその被扶養者について、同一月に、同一の医療機関での自己負担額が21,000円以上となった場合、それぞれ合算して自己負担限度を超えた額が支払われる制度。

例えば、自己負担限度額が80,100円で、夫が月5万円、被扶養配偶者の妻が月5万円を病院に支払った場合、それぞれの5万円では自己負担限度額超えず高額療養費の対象となりませんが、合算すると10万円となり、19,900円が高額療養費として支給されます。

なお、同一の医療機関であっても、入院と外来は別に、外来は診療科別にそれぞれ計算して、21,000円以上となったものが合算対象となります。

また、同一人が同一月内に2つ以上の医療機関にかかり、それぞれの自己負担額が21,000円以上になる場合も合算対象となります。

(※健康保険組合加入の方は、組合独自の「付加給付」がある場合がありますので、ご確認ください)

○70歳未満の世帯で合算できる例
(70歳以上では、異なる自己負担限度額が設定されています)

被保険者A(区分は一般の世帯)、被扶養者B(妻)、C(子)、D(子)

①Aさんが○○病院で12月中に入院 自己負担額70,000円支払い、△病院でも12月に50,000円支払った。

→それぞれでは自己負担限度額を超えませんが、21,000円を超えているので世帯合算することができます。

②Bさんが△△病院で12月中に入院 自己負担額30,000円(合算可○)

→入院で1ヵ月に21,000円以上となっておりますので、世帯合算の対象になります。

③Cさんが□□病院で12月中に4回外来 自己負担額合計45,000円

【内訳】整形外科受診3回 10,000円×3回=30,000円(合算可○)

     内科受診1回 15,000円(合算不可×)

→外来ですが、1回の受診毎の金額では21,000円に達していません。しかし、整形外科受診分については、同一診療科における自己負担額の合計が30,000円ですので、21,000円以上となっており世帯合算の対象になります。

内科受診分においては、内科のみで21,000円に達していないため世帯合算の対象となりません。

④Dさんが××病院で12月中に5回外来 自己負担額合計39,000円

【内訳】内科受診1回 9,000円、調剤15,000円 合計24,000円(合算可○)

    歯科受診3回 3,000円×3回=9,000円(合算不可×)

    耳鼻科受診1回 6,000円(合算不可×)

→外来ですので、③と同様に診療科ごとで判断します。内科受診分については、外来だけでは21,000円に達していませんが、同じ内科で処方された調剤分も合算することができますので、金額を合計すると21,000円以上になり、世帯合算の対象になります。

歯科や耳鼻科は21,000円に達していないため世帯合算の対象となりません。

単独では高額療養費に該当していなくても、それぞれを世帯合算すると自己負担限度額を超え、医療費が払い戻されるケースがあります。
家族の入院や通院が重なり1ヵ月の医療費(自己負担額)が高くなった場合は、「世帯合算」に該当しないか確認しましょう。

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秋の西新宿

早いもので、今日から12月。

晩秋の新宿中央公園は、木々が秋色に染まって綺麗です。
気分転換にちょっと撮影に出かけました。

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都庁展望台から中央公園を見てみました!
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おっ、遠くに見える高い塔はスカイツリーですね!Img_2136
500mを越えたとニュースで言ってましたが、あっという間に高くなった感じがします。

都庁展望台からの景色も素晴らしいですが、もっと高い所から見下ろす東京の景色はさぞかし素晴らしいことでしょう!

それにしても、建設中の建造物がこれほどニュースになったり、既に観光名所になっているというのは前代未聞なのではないでしょうか。

スカイツリーがオープンしたら展望台に登って見たいものですが、恐らく大行列になるんだろうなぁ・・・

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