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2010年9月

雇用保険二事業

平成22年度の毎月給料から引かれる雇用保険料率は1000分の6です。(一般の事業)
雇用保険料は会社と被保険者の双方が負担しますが、会社負担の率は1000分の9.5になります。

雇用保険料は労使でぴったり折半ではなく、会社の方が多く負担することになりますが、一般的にはあまり知られていないようです。

では会社が多く負担している「1000分の3.5」の保険料は何でしょうか。
この保険料は「雇用保険二事業」分となる保険料です。

雇用保険二事業とは、雇用保険法第3条により「雇用安定事業」及び「能力開発事業」とされています。

「雇用安定事業」は、被保険者、被保険者であった者及び被保険者になろうとする者に関し、失業の予防、雇用状態の是正、雇用機会の増大その他雇用の安定を図るための事業となります。

具体的には助成金の支給などです。

業績悪化で従業員を休業させた際に助成される「雇用調整助成金」(中小企業緊急雇用安定助成金)は、リーマンショック後の景気低迷で多くの会社が利用した助成金ですが、もしこの助成金がなければ失業率が大幅に上昇していたと言われています。

「能力開発事業」はその名の通りですが 、認定職業訓練その他の事業主等が行う職業訓練の振興に必要な助成、援助、経費の補助等となります。

さて、この「雇用安定事業」「能力開発事業」ですが、その一部を独立行政法人「雇用・能力開発機構」及び独立行政法人「高齢・障害者雇用支援機構」に行わせるものとしています。

ご多分に漏れず、これらの独法法人は事業仕分けの対象になりましたが、「雇用・能力開発機構」は既に廃止が決まっており、別組織および新組織に移管されるとのことです。

職業能力訓練自体は雇用面でも、そして日本の国力を上げるという意味でも、非常に大切なことだと思いますが、現在行っている職業訓練が本当に効果が出ているのかは正直疑問に思うところもあります。

何かとムダだと言われることの多い雇用保険二事業なので、その必要性や効果など積極的に分析.・公表して、国民の支持が得られるよう一層の努力が必要となるでしょう。

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海外療養費

海外旅行や海外勤務では、もし現地で病気や怪我をしたらどうしよう・・・と不安になるものです。
その様なことに備えて、通常はAIUなどの民間の保険に加入することが多いと思います。
それで問題ないのですが、日本で加入している健康保険も利用することができるんです。

と言っても、もちろん日本の健康保険証を海外の病院に提示しても使えません。

海外の医療機関で治療や投薬を受けた場合の医療費は、本人が一旦支払い、後日、日本で加入している健保に「療養費支給申請書」を提出することで請求できます

ただし、留意点がいくつかあります。

1.海外療養費が給付されるのは、日本国内で保険診療として認められている医療行為のみ 

例えば、美容整形や治療を目的に渡航した場合(臓器移植など)は対象外になります。

2.海外療養費は、海外で支払った治療費をもとに算出されるのではなく、日本国内で治療を受けた場合に給付される金額を基準として算出される 

例えば、海外で10万円かかった治療が、日本では2万円で済む治療だった場合は2万円しか支給されません。そのため、差額である8万円は自己負担になります。

3.証明書類などが日本語以外で書かれている場合は、日本語の翻訳文を作成しなくてはならない。

療養費の請求には通常、 医療機関などが発行する診療内容の証明書、医療費の内訳が分かる領収書などの添付が必要となりますが、当然海外の病院が発行したものは日本語ではありません。
その場合は、日本語訳を付けなくてはいけません。
これは面倒ですね・・・

以上の留意点から見ると、海外療養費は使い勝手が良い制度とは言えないでしょう。
やはり、海外に行く際には民間の保険に加入するのが現実的かと思います。

ただし、民間の保険で対象外となる海外での治療費が、日本で加入している健康保険で給付されることがある(例えば既往症など)ので、海外療養費というものを覚えていても損はないと思います!

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平成21年労使コミュニケーション調査

この調査は、労使間の意思の疎通を図るためにとられている方法、その運用状況等、事業所側の意識及び労働者の意識等の実態を明らかにすることを目的とする調査で、平成21年の調査結果が公表されました。

事業所調査と労働者調査があるのですが、まず事業所調査からみてみましょう。
労使コミュニケーションの現状についての評価をみると、「非常に良い」と「やや良い」を合わせた『良好』とする事業所割合は66.7%とのことです。
(事業所調査の詳細はこちら

次に労働者調査を見ると、「非常に良い」と「やや良い」を合わせた『良好』とする労働者割合は48.8%とのことです。
(労働者調査の詳細はこちら

あれっ?!

お気づきかと思いますが、会社と労働者とでは、かなり意識にズレがあります。

つまり、会社が思っているほど、社員はコミュンケーションが良好だと思っていないということです。

こんな例が分かりやすいでしょうか・・・

管理職「部下とコミュニケーションをしなくては・・・ やっぱり腹を割って話すには飲みニケーションが一番だな。よし、今晩飲みに行くぞ!」

部下「えっ、今日はちょっと予定が・・・」

管理職「なんだ、俺の酒が飲めないというのか!」

部下「わかりました・・・」

(居酒屋にて)

管理職「とにかく、今の若いモンは仕事がわかっていない!俺が若い頃はな・・・(以下永遠に続く説教&自慢話)」

部下 「なるほど!勉強になります!」(この前と同じ話じゃねーか。あー早く帰りたいな・・・)

管理職「いやー、今日は部下と腹を割って話ができた!やっぱり我が社の労使コミュニケーションは良好だね!!」

部下「・・・・」

まあ、この例は極端だと思いますが、要するにこんなことでしょう。(笑)

「コミュニケーション」を辞書で調べてみると、次のように説明しています。

「社会生活を営む人間が互いに意思や感情、思考を伝達し合うこと。言語・文字・身振りなどを媒介として行われる」

相手の気持ちを考えない一方的なコミュニケーションになっていないでしょうか。

とは言え、お互いに完璧なコミュニケーションを図ることは、なかなか難しくもあります。
特に会社組織の中だと、どうしても本音と建前がありますからね・・・

本当に良好なコミュニケーションとは?ということを、じっくり考えてみてはいかがでしょうか。

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アイルランドとの社会保障協定

スペインとの社会保障協定が12月1日に発効されることを、9月2日の記事(こちら)に書きましたが、スペインに続き、アイルランドとの社会保障協定が平成22年12月1日(水)に効力を生ずることになりました。

既に発効済みのドイツ、イギリス、韓国、アメリカ、ベルギー、フランス、カナダ、オーストラリア、オランダ及びチェコ、そして12月1日に発効予定のスペインとの間の社会保障協定に続く、12カ国目の社会保障協定となります。

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職場におけるメンタルヘルス対策検討会・報告書

自殺者が、平成10年以降12年連続して3万人を超えており、政府の新成長戦略でも2020年までの目標として、「メンタルヘルスに関する措置を受けられる職場の割合100%」が掲げられています。

今年5月に厚生労働省の「自殺・うつ病等対策プロジェクトチーム」の報告を受け設けられた「職場におけるメンタルヘルス対策検討会」の報告書が先日公表されました。

報告書のポイントは以下の通りです。

<報告書のポイント>
1.一般定期健康診断に併せ、ストレスに関連する労働者の症状・不調を医師が確認する。
2.面接が必要とされた労働者は産業医等と面接を行う。その際は、上記ストレスに関連する症状や不調の状況、面接が必要かについて事業者に知らせない。
3.産業医等は労働者との面接の結果、必要と判断した場合は労働者の同意を得て、事業者に時間外労働の制限や作業の転換などについて意見を述べる。
4.事業者は、労働時間の短縮等を行う場合には、産業医等の意見を労働者に明示し、了解を得るための話合いを行う。

国がメンタルヘルスの問題を本気で考えはじめたことは大変素晴らしいことですが、報告書の内容は目新しい内容でもなく、正直なところ効果があるかは疑問です。

「職場におけるメンタルヘルス対策検討会」のメンバーですが、大学教授などのかなりの立場におられる方々が多いですが、果たしてどこまで現場や実務がわかっているのでしょうか・・・

現場を見ている産業医や保健師などの方々もメンバーになっていますが、大企業の担当者ばかり。

確かに、大企業のメンタルヘルス対策は先進的で素晴らしいものも多いです。
でも、大企業と同じようなことを中小企業で実施するのは困難です。

大企業は国の支援がなくても、それなりのメンタルヘルス対策を自分たちで実行できます。
支援が必要なのは中小企業のメンタルヘルス対策ではないでしょうか。
なにしろ、日本の全会社数に占める中小企業の割合は99.2%(総務庁、事業所・企業統計調査)なんですから。

上記の報告書のポイントでは「産業医等」が至る所で書かれていますが、そもそも50人未満の事業所は産業医の選任義務はないし、50人以上で産業医を選任していても、実際は職場巡回などしない名義だけ契約している産業医がほとんどでしょう。

報告書でも指摘していますが、そもそも、精神疾患が専門の産業医が少なのも問題です。

産業医の選任義務のない労働者50人未満の事業所は、無料で利用できる「地域産業保健センター」を利用することを推奨していますが、相談員の人数が不足しているという問題があるし、会社の実態が分からない相談員がどこまで効果的なメンタルヘルス対策ができるかという問題もあります。

じゃあ、どうしたらいいの?という話は、是非当事務所にご相談ください!

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スペインとの社会保障協定

「社会保障に関する日本国とスペインとの間の協定」の効力発生のための外交上の公文の交換が,9月1日(水),東京において行われ、これにより,本協定は本12月1日(水)に効力を生ずることになりました。

さて、社会保障協定とはなんぞや?という方に簡単に説明しましょう。

海外の支店に転勤になったというような場合、通常は相手国の社会保障制度と日本の社会保障制度に加入する必要があり、二重加入の問題が生じてしまいます。

また、相手国の年金制度の加入期間が短いために、年金の受給に必要な期間を満たさず,年金を受給できないとの問題も生じます。

この問題を解決しようというのが社会保障協定なのです。

協定により,派遣期間が5年以内であれば,原則として派遣元国の社会保障制度にのみ加入することになります。
また,両国での保険期間を通算してそれぞれの国における年金の受給権を確立できることとなります。

現在、ドイツ、イギリス、韓国、アメリカ、ベルギー、フランス、カナダ、オーストラリア、オランダ、チェコと協定が発効しており、スペインは11カ国目となります。

協定内容は各国で異なります。
例えば、公的年金のみが対象となる国と医療保険と公的年金両方対象になる国があります。

System01_4         (旧社会保険庁HPより・クリックすると拡大できます)

手続ですが、日本から協定相手国に派遣され就労する場合は、日本の社会保障制度に加入していることを証明する「適用証明書」の交付を年金事務所から受ける必要があります。
そしてこの「適用証明書」を協定相手国内の事業所に提出します。

協定相手国の規定により相手国実施機関に提示または提出を求められた時、また協定相手国の社会保障制度に加入していない理由を尋ねられた時には、証明書を提示または提出することになります。

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